2008年3月 3日
奈良公園にこられて、まず目にするのが鹿でしょう。公園内から若草山原生林にかけて1200頭ほどいて、国の天然記念物に指定されています。実はこの鹿たちは、飼育されているのではなく、野生動物。種のニホンジカとしては珍しいわけではなく、そのルーツと生態が特別なのです。 春日大社に祭られているのは、常陸の国鹿島神宮(現茨城県鹿島郡)から白い神鹿に乗りやってきた武甕槌命(たけのみかづちのみこと)という神様。その神様が乗ってきた鹿の子孫という説から、奈良の鹿は「神鹿」とされています。野生なのに人に馴れ市街地近くに暮らす独特の生態もほかでは見られないもの。鹿たちはたいてい公園内や寺社参道近くでのんびり草を食んだり、横になってじっとしています。あまりにもフツーに「いる」ので、初めて見たかたはびっくりされるようですね。人に慣れているというより、「そこにいる」というかんじ。撫でたり、写真を撮ることだってもちろんできますが、動物園やサファリパークじゃまずこんなに近くで、こんなに多くの鹿たちを目にすることはないでしょう。観光客の鹿せんべいめがけて突進してくるなんてことはありません。大きなくりくりした大きな目で近寄ってきたり、鹿せんべいを前に「おじぎ」ポーズでおねだりすることもあります。(このしぐさに参っちゃう人も!) 見飽きないし、鹿を見てるだけで癒される~、それだけでまた見にいこうかなあ、という気持ちになるから不思議です。
※秋の繁殖期や鹿親子はデリケートなので、あまり刺激しないようにお気をつけください。
さて、ここで問題です。鹿はなんて「なく」でしょう?松尾芭蕉は「ぴいと啼く 尻声悲し 夜の鹿」と詠んでいますが、私には、“み゛ぃー”(まさに「み」に濁点!)と聞こえます。 めったになかないので聞けたらラッキー!かもしれません。
かつて吉永小百合さんが歌われた「奈良の春日野」に「ふん、ふん、ふん、鹿のふん♪」という歌詞がでてくるそうですが、あれだけいたら鹿の落し物も・・・やっぱりあります。ちゃんとボランティアの方やおみやげ屋さんの方たちがこまめにお掃除してくださっています。パロディにしたチョコレートお菓子があったり、「鹿飛び出し注意」看板や、車道ガードレールの反射板にずらっと並んでいるのも、ここならでは。これまでどおり鹿とヒトはともに暮らしていくのでしょう。

鹿愛護会の方がフレンチホルンを吹くと、その音色に誘われてたくさんの鹿たちが集まってきます。
日時:平成20年2月1日(金)~3月18日(火)まで 午前10時(約15分程度)
場所:春日大社境内 飛火野
*財団法人 奈良の鹿愛護会 http://naradeer.com/index.htm
*春日大社 http://www.kasugataisha.or.jp/


